米Intelが,インドの情報通信技術(ICT)産業振興に向け10億ドル超規模の投資を行う複数年計画をインドで現地時間12月5日に発表した。Intel社は,現地ベンチャー企業を対象とする2億5000万ドル規模の基金「Intel Capital India Technology Fund」の設立も明らかにした。

 投資計画の一環として,同社はインド事業拡大のため今後5年間で8億ドルを投入する。バンガロールにある研究開発センターIntel India Development Center(IIDC)の拡充を実施するほか,マーケティング/教育/コミュニティ活動の強化も図る。IIDCは5年前に開設し,ハードウエアおよびソフトウエア技術を中心に扱っている。現在の従業員数は2800人。

 教育機関向けの支援活動としては,現在の従業員向けボランティア促進プログラム「Volunteer Matching Grant Program」に加え,教員向けIT教育活動「Intel Teach to the Future」を3年間実施し,50万人の受講を目指す。さらに,学生を対象とする取り組み「Intel Learn」の規模を拡大し,少なくとも6つの州で300カ所以上のコミュニティ・センターを会場に使って講座を開く。

 またベンチャー・ファンドIntel Capital India Technology Fundは,主に現地のハードウエア/ソフトウエア企業による現地向け技術開発を支援する。海外に技術サービスを提供する企業に対する資金提供も計画している。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,インドは電力供給が不安定で,港湾施設や道路の整備が不十分なことから,現在のところ半導体工場が1つも存在しないという。

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[発表資料(10億ドル超規模の投資計画)]
[発表資料(2億5000万ドル規模のベンチャー・ファンド)]