米RealNetworksは米国時間12月15日,有料音楽配信サービス「Rhapsody」のWebバージョン「Rhapsody.com」のベータ版を公開した。従来のサービスと異なり,ジュークボックス・アプリケーションをダウンロードする必要がなくなったため,MacやLinuxユーザーもサービスを利用できるようになった。

 同サービスのベータ版サイトでは,大手レコード会社が提供する140万曲を超えるライブラリから1カ月につき最大25曲を無料で聴くことができる。また,コマーシャルの無い25局のラジオ放送も好きなだけ聴くことができる。Webブラウザは,Internet Explorer,Mozilla Firefox,Safariに対応。同サービスは米国内に限定されている。

 Rhapsodyの有料サービス「Rhapsody Unlimited」(月額9.99ドル)や携帯デバイス向けの「Rhapsody To Go」(月額14.99ドル)の加入者は,Rhapsody.comから自分のアカウントにアクセスして無制限にストリーミングを楽しむことができる。

 違法なPtoPサイトとは異なり,Rhapsody.comでは楽曲が再生されるたびに,音楽業界に一般的なオンデマンドの有料サービスと同じ程度の料金が支払われる仕組みになっている。RealNetworks社は,同サービスを通じて有料サービスの利用,楽曲購入の増加を期待している。

 同社は同日,サードパーティのWebサイトがRhapsody音楽サービスを統合できるようにする新しいプログラム「Rhapsody Web Services」を発表している。米Comcast High-Speed Internet,米RollingStone.com,米Microsoftがサポートを表明している。

 Comcast社はWebベースのRhapsodyラジオ・サービスを提供している。Microsoft社のWindows Media Player 10から数週間以内にRhapsody.comが利用できるようになり,同社のMSNも数ヶ月以内にRhapsody Web Servicesを通じて,「MSN Search」,「MSN Messenger」,「MSN Music」サービスにRhapsodyを統合するという。RollingStone.comでも同サービスの採用を明らかにしている。

 RealNetworks社では,同プログラム向けに複数のコンポーネントの構築を計画している。一例として,同サイトの楽曲,アルバム,ラジオ局へのリンクを作成するツール,音楽情報などに関するRSSを含むXMLフィード,同プログラムに参加するサードパーティ開発者向けブログの提供を予定している。

 また,同日同社はデスクトップ版Rhapsodyの新版「同 3.1」も公開している。音楽の購入や共有をさらに容易にするために,いくつかの機能強化が加えられた。

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