米DisplaySearchと米NPD Groupは,2005年第3四半期のOLED(有機EL)ディスプレイ市場に関する調査結果を米国時間11月30日に発表した。それによると,同期における世界のOLED出荷台数は前年同期から144%増の1670万台に達した。売上高は1億3090万ドルで,前年同期と比べて49%の増収となった。

 OLEDは,携帯電話,MP3プレイヤ,自動車用コンソールといった小型/中型ディスプレイの部門でLCDと競合している。同社によれば,同期におけるOLED出荷台数の増大は,MP3プレイヤの売り上げが35%,産業用ディスプレイが93%伸びたことが主な要因となっているという。

 有機ELディスプレイの成長はパッシブ・マトリックス式有機EL(PMOLED)がけん引しており,アクティブ・マトリックス式有機EL(AMOLED)の出荷台数は5万台未満となっている。また,P-OLEDを使ったパネルの出荷台数シェアは3%未満だった。

 メーカー別にみると,韓国Samsung SDIの出荷台数が440万台強,売上高3720万ドルで,出荷台数と売上高の両方で首位を獲得した。2位は台湾のRiTdisplayが続いた。同期のトップ5ではTDKの成長が最も著しく,前期比で出荷台数が138%,売上高が81%増加している。

■2005年第3四半期におけるOLEDメーカー別売上高(単位:100万ドル)

順位メーカー売上高前期比前年同期比
1Samsung37.10%1%
2RiTdisplay26.8-5%77%
3Pioneer17.9-9%9%
4Univision15.06%311%
5TDK7.681%321%
その他26.417%19%
合計130.94%49%

出典:DisplaySearch社

■2005年第3四半期における,用途別OLED出荷台数トップ5(単位:1000台)

順位用途出荷台数前期比前年同期比
1MP38,265.035%2721%
2サブディスプレイ7,660.08%30%
3カーオーディオ431.0-5%53%
4メイン・ディスプレイ132.04%71%
5オート・コンソール128.5-61%7%
その他125.577%-25%
合計16,742.018%144%

出典:DisplaySearch社

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