米In-Statは米国時間11月30日,半導体業界の今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,半導体業界は2001年~2002年にかけて減速していたものの,無線,ブロードバンド機器,民生電子機器といった分野の新技術に後押しされて,2010年まで安定した成長を続けるという。

 2004年から2009年にかけて,携帯電話用モデム向け(出荷数250万個から1460万個へ),無線LANチップセット向け(同8400万個から3億9000万個へ),デジタルTVセット向け(同1650万個から9380万個へ)が急成長を遂げる見込み。

 In-Stat社アナリストのChris Kissel氏は,「2010年まで携帯電話が半導体業界の原動力になる。世界における携帯電話の利用者数は現在の16億人から2009年には26億人に達し,世界人口の3分の1を占めるようになるからだ」と説明する。

 その他の主な調査結果は次の通り。

  • ビデオ・ゲーム機の販売台数は2005年に1650万台で底を打ち,新製品の投入により,2008年には市場規模が2倍に拡大する
  • パソコン向けCPUの販売個数は,2002年の1億個から2005年には1億8730万個に達する見通し
  • PDA(携帯情報端末)はスマートフォンに統合されつつあるため先細り傾向にある。2009年のPDA向け出荷個数は2005年の約3分の1まで減少する

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