米Akonix Systemsは,インスタント・メッセンジャー(IM)とPtoPシステムのセキュリティ脅威について調査した結果を米国時間11月29日に発表した。それによると,11月に見つかったIMをターゲットとするウイルス/ワームの数は62種類で過去最高となった。

 同社によれば,ウイルス/ワームの数は前月と比べ226%増加している。同月見つかった58種類のワームは亜種で新種が4種類だった。

 また,「Kazaa」や「eDonkey」といったPtoPネットワークをターゲットとしたものは14種類見つかっているが,前月から36%減少した。

 前月に続き,同月もひとつの大手IMネットワークをターゲットとした攻撃が多く,それ以外をターゲットとした攻撃のほぼ2倍が集中した。新しい傾向としては,IM攻撃の36%は複数のネットワークをターゲットとしたものであり,13%は4つの大手IMネットワークのすべてを介して広まる機能を備えていることが分かった。ウイルスがIMシステムを選ばなくなるため,同社では被害の範囲が広がる可能性があるとみている。

 同社マーケティング担当副社長のDon Montgomery氏は,「11月に見つかったIMをターゲットとするウイルス/ワームの数は過去最高となった。これは,ハッカーたちがこのリアルタイムの通信媒体を企業ネットワークにおいて大きく開かれたセキュリティ・ホールとみなしていることを示している」とコメントしている。

 「11月だけで50種類近くが見つかったことを考慮し,企業はただちにネットワークを保護するための対策をとるべきである。Blasterウイルスによる被害の復旧費用として1社につき50万ドル近くかかると推測している報告もある」(同氏)

◎関連記事
「米AOLのIM経由で感染するワームは中東のハッカー・グループが関与」,米FaceTime
「米国ユーザーの約4割が電子メールよりもIMの方を多く利用する」,米AOL調査
「2005年の世界IM市場は3億1500万ドル規模,2009年には2倍以上に拡大」,米調査
「IMのセキュリティ脅威,2005年は毎月50%のペースで増加中」,米調査

発表資料へ