米Sun Microsystemsは,オンデマンド・ストレージ・サービス「Sun Grid Storage Utility」の付加メニューとして,データの遠隔バックアップを行う「Sun Grid Remote Backup and Restore Service(RBR)」と,長期保存に対応する「Sun Grid Remote File Vault(RFV)」を米国時間11月29日に発表した。両メニューの提供には,英InTechnologyが協力する。両社はSun Grid RBR/RFVの試験提供を,英国で12月に開始する予定。

 Sun Grid Storage Utilityは,1カ月当たり1Gバイトのストレージを1ドルで提供するサービス。ユーザーは,必要とするストレージ容量に応じて利用する量を変えることができる。Sun社は同サービスの提供拠点となる「Sun Grid Center」を世界各地に展開する計画で,まず2005年中に,バージニア州,テキサス州,ニュージャージー州,カナダ,英国のスコットランドで施設の運用を開始する。

 Sun Grid RBRは,Sun Grid Storage Utilityサービスに付加する形で遠隔バックアップを実施する。料金は月額制。「データのやり取りには安全な通信回線を使う。迅速なデータ復旧を可能とするため,遠隔地のデータセンターで定期的にバックアップする」(Sun社)

 Sun Grid RFVは,データの長期保存を目的とする遠隔アーカイビング・サービス。Sun Grid RBRと組み合わせても,単独でも利用できる。料金は利用量によって異なる。保存を必要とするデータだけをアーカイブするので,ユーザー自身によるバックアップ作業のコストが発生しないという。

 またSun社は,オンデマンド高性能コンピューティング・サービスを提供する米Virtual Compute(vCompute)から,オンデマンド・コンピューティング・サービス「Sun Grid Compute Utility」において200万時間以上のCPU利用契約を獲得した。

 Sun Grid Compute Utilityは,1時間当たり1CPUを1ドルで提供するサービス。vCompute社はこれまで100万時間分の利用契約を結んでいたという。

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