英Informa Telecoms & Mediaは英国時間11月23日に,モバイル業界の2006年の展望について調査した結果を発表した。モバイル業界の専門家の68%が来年の見込みについて「昨年よりも自信を持っている」と述べているが,同社は「2006年はモバイル市場の構造と事業者の戦略が変化し始め,モバイル業界にとって大きな分岐点となる」と予測する。

 モバイル事業者の従来のビジネス・モデルは,2006年にますます安定性を失い,高い顧客獲得コスト,解約率の増加,1分当たりの通話料の下落といった問題に悩まされるようになる。モバイル事業者の84%は,通話料が最大4分の1に低下するとみており,49%は解約率が高まると懸念している。

 Informa社は2006年のモバイル業界におけるその他の主な課題として,「クワッドルプル・プレイなどの統合サービス」「モバイル仮想ネットワーク・オペレータ(MVNO)の台頭」「VoIP普及による音声サービスの価格低下」「コンテンツ・サービスの競争激化」を挙げた。

 また,モバイル事業者が2006年の収入源として最も期待するモバイル・サービスは,音楽配信と電子メール。これに,ゲームとTV配信が続く。携帯電話メーカーが重視する機能は,音楽配信(56%)が首位で,TV配信(19%),電子メール(14%),ゲーム(11%)となる。

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