米Dipsieは,クッキーや各種スクリプトで動的に生成されるWebページも検索できる検索サービス「dCloak」のベータ運営を開始した。Dipsie社が米国時間11月22日に明らかにしたもの。「当社の特許申請中の技術を利用すれば,GoogleやYahoo!,MSNといった主な検索エンジンでは見つけられないコンテンツを探し出せる」(同社)

 Dipsie社創業者兼CEOのJason Wiener氏は「現在の検索エンジンは,クッキーを使っていたり,データベースによるテンプレート,フォーム,クライアント・サイドのスクリプトで生成されたりするWebサイトをクロールできない」と指摘する。「クロール中にそうしたWebページを見つけられるとしても,ユーザーを検索結果ページからそのページに誘導することは極めて難しい。大抵はページの内容が壊れているか,そのページに対応するホーム・ページが表示されるので,ユーザーは検索結果の元ページを自力で探すことになる」(同氏)

 同社はクロール・ボット「Dipsie.bot」や,言語解析手法「Quantum Linguistics」ベースのアルゴリズムなどの技術を開発し,動的なWebページの検索を可能にしたという。同社では,「より人間に近い方法でWebページの分析と言語解釈を行うので,ページ上のテキストを単純に読み込む場合と比べ,より意味のある結果を引き出せる」としている。

 dCloakでは,各ユーザーにアカウントを割り当て,複数のWebサイトを管理する機能や,Webページ/キーワード/リンク/コントロール/クッキーを表示する機能を提供する。

 なお米メディア(CNET News.com)ではdCloakについて,ベータ運用中に限り無料で提供されると報じている。2006年第1四半期の正式サービス開始後の料金は,月額29.99ドル(50ページ以下)という。

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