米McAfeeが,電子メールで感染を広げる「Sober」ワームの亜種「W32/Sober@MM!M681」(別名は「Sober!M681」)について,危険度を「中」とする警告を米国時間11月22日に出した。McAfee社は,同ワームに関する報告をこれまで300件以上受けたという。

 Sober!M681はSMTPエンジンを内蔵しており,感染したWindowsシステムから電子メール・アドレスを抽出して自身の複製をzip圧縮した添付ファイルを送りつける。メール送信時のアドレスは擬装している。この電子メールを受け取ったユーザーがzipファイルを展開すると,パソコンに感染する。電子メールのサブジェクトやメッセージは,感染したパソコンのWindowsが英語版かドイツ語版かに応じ,英語またはドイツ語になる。

 フィンランドF-Secureと米Symantecも同じワームをそれぞれ「Sober.Y」「W32.Sober.X@mm」として警告している。同ワームが感染を広げた要因について,F-Secure社は「メッセージが米連邦捜査局(FBI)や米中央情報局(CIA),ドイツ連邦刑事庁(BKA)から送られて来た警告を装うから」と指摘する。またSymantec社によると,同ワームはWindows 2000/95/98/Me/NT/Server 2003/XPに感染するという。

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[発表資料(McAfee社)]
[発表資料(F-Secure社)]
[発表資料(Symantec社)]