米Intelと米Micron Technologyは米国時間11月21日に,家電製品向けNANDフラッシュ・メモリーの新会社設立で合意に達したと発表した。新会社の名称は「IM Flash Technologies」。Intel社およびMicron社のメモリー製造のみを請け負う。設立の目途は年末を見込む。

 新会社は,「NANDフラッシュ・メモリー開発に関するMicron社のノウハウと稼働効率に優れた設備,Intel社のマルチ・レベル・セル(MLC)技術とフラッシュ・メモリー事業の経験を持ち寄る」(両社)。民生電子機器,リムーバブル・ストレージ,携帯型通信デバイスなどに向けたNANDフラッシュ・メモリーを手がける。

 Intel社とMicron社は,それぞれ約12億ドル相当の資産および現金を新会社に投じる。条件が揃えば,今後3年間で約14億ドルを追加出資し,業務拡大に伴う投資も予定している。所有権の51%をMicron社が,49%をIntel社が保持する。Intel社のDave Baglee氏とMicron社のRod Morgan氏が経営の指揮を執る。

 新会社は,2006年初頭に製造を開始する予定。当初はアイダホ州ボイジー,バージニア州マナサス,ユタ州リーハイの工場を使用する。Intel社とMicron社のプロセス技術を利用し,72nmおよび50nmプロセス・ルールの適用を積極的に進めるとしている。

 またIntel社とMicron社は,NANDフラッシュ・メモリーの供給に関して米Apple Computerと長期的提携をそれぞれ結んだことも明らかにした。両社は,新会社で製造したNANDフラッシュ・メモリーのうち,大きな割合をApple社向けに当てるという。提携のもと,Apple社は両社に2億5000万ドルずつ前払いする。

 Apple社は同様の提携を,韓国のHynix Semiconductor,東芝,韓国のSamsung Electronicsとも結んでいる。携帯型音楽プレーヤ「iPod」などに用いるNANDフラッシュ・メモリーを2010年まで確保する意向で,今後3カ月で5社に総額12億5000万ドルを支払う。

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[発表資料(Intel社のプレス・リリース]
[発表資料(Apple社のプレス・リリース]