特許監視団体のPublic Patent Foundation(PUBPAT)は,データ圧縮技術Joint Photographic Experts Group(JPEG)に関して,米Compression Labs(CLI)の特許の再審査を米特許商標局(USPTO)に要請した。PUBPATが米国時間11月16日に明らかにしたもの。

 CLIの特許は,米国特許番号「4,698,672」,タイトル「Coding system for reducing redundancy」。1986年10月27日に申請し,1987年10月6日に成立した。46件のクレームから成る。制限のあるバンド幅で画像を伝送するための信号圧縮手法と仕組みに関するもの。

 PUBPATはUSPTOへの書類の中で,JPEGに利用されているとするCLIの特許に先行した技術を提示。先行技術の存在により672特許が無効になるはずだと述べている。

 1997年にCLIを買収した米Forgent Networksは,672特許成立から長年経った約1年半前から積極的に特許を主張し始め,電子画像の作成や配信を行っている企業を相手取った訴訟を起こしている。「Forgent社は未熟なソフトウエアしか提供していないのに,特許料徴収が主要なビジネスになっている」(PUBPAT)

 Forgent社は,これまでに同特許に関して米Apple Computer,米Dell,米Hewlett-Packard,米IBMを含む約40社に対して特許侵害訴訟を起こしている。一方でカナダのResearch In Motion(RIM)などは,ライセンス契約に応じている(関連記事)。

 ちなみに,米メディアの報道(InfoWorld)によれば,PUBPATが先行技術として挙げた特許はすでに期限が切れているという。

◎関連記事
米Forgent,画像圧縮の特許技術を加RIMにライセンス
米Forgent,米Microsoftを画像圧縮技術の特許侵害で提訴
米Forgentの子会社,画像圧縮技術の特許侵害で31社を一斉提訴
画像圧縮技術の特許侵害で米Sun,米Google,米Yahoo!など11社を追加提訴
米Sun,画像処理ツール「JAI」とJAI用API「JAI Image I/O」をjava.netで公開
カメラマンの団体がデジカメ・メーカーにRAWファイル形式の公開を要求
米Adobe,生デジタル写真ファイルの統一仕様を発表
「米国特許制度を改正すべき」,米Microsoftが改善プランを提案

[発表資料へ]