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 チュニジアで開催中の国連の世界情報社会サミットで,マサチューセッツ工科大学(MIT)Media Lab理事長のNicholas Negroponte氏が100ドル・ノート・パソコンの最初のプロトタイプについて説明を行った。MITが米国時間11月16日に明らかにしたもの。

 100ドル・ノート・パソコンの開発は,Negroponte氏が1月の世界経済会議で初めて発表したプロジェクト。基本的な機能をすべて装備したノート・パソコンを,小学校および中学校向けに超低コストで設計する。MITのMedia Labと非営利団体One Laptop per Child(OLPC)が共同でプロジェクトを進め,「世界中の小中学校の生徒と教師に,ネットワーク機能を備えたノート・パソコンを1人1台ずつ供給することを目指す」(MIT Media Lab)。Negroponte氏によれば,特に発展途上国を対象にする。

 プロトタイプ発表の場には国連のKofi Annan事務総長も加わり,「すばらしい技術的偉業だ。より大型で高価格のコンピュータができるほとんどのことをこなせる。経済および社会発展における大きな進歩を約束するものだ」と述べた。

 100ドル・ノート・パソコンの現時点でのシステム構成は,動作周波数500MHzのプロセサ,1Gバイトのメモリー,USBポート,フルカラーのディスプレイなど。WiFi接続をサポートし,OSにはLinuxを採用する。動力はゼンマイ式などの「画期的な」(MIT Media Lab)方法を検討している。MIT Media Labでは,2006年終わりごろから2007年初頭に出荷体制を整えたい考え。500万~1000万台の発注と支払いを受けたら製造にとりかかる予定であるという。

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