フィンランドのNokiaは現地時間11月16日,無線メッセージングや電子メール技術の開発を手がける米Intellisyncを買収することで最終的な合意に達したことを明らかにした。取り引きは現金で行なわれ,Nokia社はIntellisync社の株式1株あたり現金5.25ドル(総額約4億3000万ドル)を支払う。買収手続きは,2006年第1四半期に完了する見通し。

 Intellisync社は,企業や通信事業者向けに無線メッセージング,データとファイルの同期化技術,モバイル・ソフトウエア,デバイス管理ソフトウエアなどを提供しており,これらの技術は幅広いデバイスとプラットフォームに対応している。

 Nokia社は9月に,モバイル機器を通じて社員が企業電子メールにアクセスできるようにするモバイル電子メール・ソフトウエア「Nokia Business Center」を発表している。Intellisync社の買収を通じて,同社は企業ユーザーに対し,実質的にどんな機器からも任意のデータソース,アプリケーション,ネットワークに接続する機能を提供できるようになると説明している。

 現在Intellisync社が機器メーカーと締結している契約は,買収完了後も継続される。提携関係にあるメーカーには,携帯端末「Blackberry」を提供するカナダのResearch In Motion(RIM)も含まれている。また,今回の買収を通じて,Intellisync社が顧客に抱える米Cingularや米Verizon Wirelessといった大手のモバイル通信事業者との関係がもたらされることになるという。

 買収完了後,Intellisync社の450人の従業員は,Nokia社のEnterprise Solutionsグループに迎えられる。

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