Linuxマシンのクラスタで構成するスパコンを手がける米Linux Networxは,新しいLinuxシステム「LS Series」の2モデルを米国時間11月14日に発表した。LS Seriesは,ミッドレンジ向け「LS-1」とスパコンのユーザー向け「LS/X」の2モデルを用意する。

 両システムは,ハードウエアとソフトウエア・コンポーネントで構成される。同社は,最適化されたパフォーマンスと低いTCOにより,LS Seriesを幅広いユーザーに向けたLinuxシステムと位置づけている。

 LS-1 Supersystemは,クラスタ・インフラの経験のないミッドレンジ・ユーザー向けのシステム。アプリケーションを最適化するシステムとして,パフォーマンスを強化するために提供される。計算流体力学,土木建築工学,流体シミュレーション,対話的な3次元ビジュアライゼーションといったアプリケーションに適しているという。

 同社によれば,同モデルはモジュラ型サブシステムのアプローチにより,カスタム・アプリケーション向けに最適化が可能。演算処理,相互接続,ビジュアライゼーション,データ・ストレージ,アプリケーション・アクセラレーション機能を含む幅広いサブシステム・モジュールが用意されている。

 LS/Xは,第1世代クラスタのパフォーマンス・ボトルネックを解消するLinuxスパコン。電力供給,冷却ファンの冗長化を含む耐障害型のシステム設計により,継続的なアプリケーションの実行が可能になるという。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,両モデルは米Advanced Micro Devicesの「Opteron」プロセサを搭載する。LS-1モデルは,2006年第1四半期に米Intelの新しいデュアル・コア版Xeonプロセサ「Dempsey」(開発コード名)に対応する予定だという。

 LS-1の価格は,16プロセサ搭載マシンが4万ドルから。64プロセサ搭載マシンで13万ドル以上となっている。LS-Xの価格は明らかにされていない。両モデルともに,12月に早期導入者向けに数量限定で提供されるが,一般的向けリリースは2006年第1四半期が予定されている。

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