米Intelが,仮想化技術「Intel Virtualization Technology(VT)」対応のデスクトップ・パソコン向け新型プロセサ「Intel Pentium 4 processor 672」「同662」を米国時間11月14日に発表した。同プロセサ搭載パソコンは,台湾Acer,中国Founder Group,中国Lenovo Group,中国Tsinghua TongFangが同日より利用可能とする。

 VT対応プロセサは,1個のプロセサ上に複数の独立したパーティションを設け,それぞれのパーティションで異なるOSやアプリケーションを実行できる。例えばユーザーが業務用アプリケーションを使用しているパソコンで,同時にセキュリティや管理用サービスを動かすといった制御が可能となる。Intel社では「別パーティションでネットワーク・トラフィックをフィルタリングしてからユーザーに届けることで,悪質なコードやウイルスに対する防御を強化できる」と説明する。

 新型プロセサの1000個ロット時の単価は,Pentium 4 processor 672が605ドル,同662が401ドル。

 今後同社は,2006年に提供を開始するモバイル技術「Intel Centrino」対応ノート・パソコン向けプロセサでもVTを採用していく。2006年中盤には,サーバー向けプロセサ「Intel Itanium」のVT対応版を出荷する。

 さらに2006年の終わりごろ,新管理技術「Intel Active Management Technology(AMT)」とVTに対応したデュアル・コア・プロセサをベースとする企業向けパソコン・プラットフォーム「Intel Professional Business Platform」(開発コード名は「Averill」)の提供を予定している(関連記事)。

 なお同社のVTに対しては,米EMC傘下の米VMware,米Microsoft,米XenSourceといった仮想化ソフトウエア・ベンダーが対応を表明したという。

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