Linuxに関連する特許を買い取るなどして入手し,ロイヤルティ・フリーで提供する特許管理会社「Open Invention Network(OIN)」が米国時間11月10日に発足した。OIN社が同日明らかにしたもの。同社の設立には,米IBM,米Novell,オランダRoyal Philips Electronics,米Red Hat,ソニーが資金援助を行った。ただしOIN社は,各社の出資額など詳しい条件については公表していない。

 OIN社CEOのJerry Rosenthal氏は「革新を進めるにはオープンな協調が欠かせず,これが全体的な経済成長をもたらす」と述べる。「Linux OSにかかわる協調を阻んでいる障害が革新を無にしている。ソフトウエア改革の推進を止めないために,(当社の提示した)Linuxに関する新しい知的財産管理モデルの確立がなんとしても必要だった」(同氏)

 OIN社が権利を持つ特許は,「あらゆる企業,組織,個人にロイヤルティ・フリーで提供する」(OIN社)。ただしOIN社の特許を利用するには,Linux OSや特定のLinuxアプリケーションに対して所有する特許の権利を行使しない,という条件に合意する必要がある。

 当初OIN社は,Novell社傘下のJGR社が米Commerce Oneから買い取った一連のBtoB関連特許を提供する。

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