米調査会社のCurrent Analysisは,米国の小売りパソコン市場における半導体に関して10月に実施した調査の結果を米国時間11月8日に発表した。それによれば,10月に販売されたパソコン(デスクトップとノート)に搭載された半導体の供給で,米Advanced Micro Devices(AMD)は,業界最大手の米Intelを抜いたことが明らかになった。AMD製の半導体を搭載したパソコンは,同市場全体の49.8%を占め,Intel製の48.5%を上回った。

 9月の調査では,デスクトップ部門においてAMD社のシェアがIntel社をわずかに上回っていたが,同部門で成長を続けた結果,10月にはノートを含むパソコン市場全体でIntel社を抜くことになった。

 同社によれば,小売り市場におけるAMD社の成功は無視できないが,Intel製品だけを採用している直販ベンダーの米Dellなどが調査対象に含まれていないため,米国の消費者向けパソコンの販売でみるとIntel社のシェアは高くなる。

 第4四半期は,感謝祭の翌日からクリスマスが鍵となる。米Wal-Martは,AMD製プロセサを搭載する398ドルのパソコンを感謝祭の翌日から発売するという噂が流れており,AMD社は従来のホリデー・シーズンよりも有利な立場にあるとCurrent Analysisでは推測している。

 10月の調査におけるその他の主な結果は次の通り。

・AMD社の小売りデスクトップ部門における出荷台数のシェアは,9月の52.0%から10月は67.7%まで拡大

・同ノート・パソコン部門におけるAMD社の出荷台数シェアは,9月の26.2%から10月は31.5%に拡大

・Intel製品搭載パソコンの方が高価格モデルが多いため,売上高のシェアでみるとAMD社の40.1%に対し,Intel社は57.6%となっている

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