米DisplaySearchは米国時間11月7日,2005年第3四半期におけるPDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)モジュールとPDPテレビの世界市場について調査した結果を発表した。それによると,第3四半期は季節的要因に加え,プラズマ・テレビの価格低下が要因となり,プラズマ・パネルの出荷数が過去最高の190万台に達したという。前期と比べ37%,前年同期と比べ118%の成長である。

 2005年上半期のPDPの出荷数は,前年の同期間と比べ20%増加したものの,同年下半期は需要の急増と4つの工場が閉鎖されたことから品薄へと転じた。

 2006年におけるPDPの供給は,2005年と比べ約半分のペースでしか成長せず,2006年下半期にはPDP不足が深刻化する見通しである。「2006年第4四半期には前年同期比で2ケタ台のマイナス成長となる可能性がある」(同社)。なお供給不足が継続すると,LCD TVメーカーは市場シェアを獲得するために,他社との価格差を縮める見通しだ。

 2005年第3四半期にPDPモジュールが好調だった要因として,価格の下落があげられる。季節的に旺盛な需要がこれに加わり,工場稼働率は98%だった。第4四半期は100%に達し,出荷数が230万台となる見通し。また2005年のPDP出荷数は前年比91%増の680万台とみる。

 PDPモジュールの売上高は前年同期比57%増,前期比29%増の16億ドルで,過去最高を記録した。第4四半期は前年同期比48%増,前期比16%増の18億ドルとなり,2005年の売上高合計は少なくとも,前年比35%増の57億ドルになる見通し。

 メーカー別にみると,松下電器産業の米国法人であるPanasonicの成長が著しい。同社の出荷数は前期比49%増加し,市場シェアは前期の25%から27%へと拡大した。首位は市場シェア29.5%を獲得した韓国のSamsung SDIだが,「第4四半期は松下が1位に躍り出る可能性がある」(同社)。

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