Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,XML形式の変換に関する「XSL Transformations(XSLT)2.0」,「XQuery 1.0」を始めとする8つの仕様をW3C勧告候補(Candidate Recommendation)として米国時間11月3日に公開した。

 公開された勧告候補は,「XSLT 2.0」「XSLT 2.0 and XQuery 1.0 Serialization」「XML Syntax for XQuery 1.0(XQueryX)」「XQuery 1.0: An XML Query Language」「XML Path Language(XPath)2.0」「XQuery 1.0 and XPath 2.0 Data Model(XDM)」「XQuery 1.0 and XPath 2.0 Functions and Operators」「XQuery 1.0 and XPath 2.0 Formal Semantics」。

 XSLTは,XMLコンテンツを別のXML形式を含め異なる形式に変換する。たとえば,データベースからのXML形式の出力を加工してWebサイトに対応するようにXHTML形式に変換したり,印刷に対応するXSL-FO文書に変換する。XSLT 2.0では,これまで拡張機能としてしか利用できなかった複数の出力文書の作成やユーザー定義によるXPath関数の利用といった多くの機能が標準化された。国際化のサポートを強化し,より多くの機能を持つツールを提供している。

 また,強い型付け(Strong Typing)とXMLスキーマの利用もサポートしている。Strong Typingは,Java,C++,C#のようにプログラムのエラーを減らすために設計されたもの。大規模システムの開発と管理コストが大幅に削減できるという。

 XML Query 1.0は,XMLにデータベース検索機能とデータ選択機能を提供する。ユーザーは,同仕様により異なるベンダー製のデータベース上でXMLドキュメントやリレーショナル・データベース・テーブルの検索が可能になるという。また,XPath 2.0をデータ選択のための語彙として採用する。

 これらの文書を作成したワーキング・グループ「XSL Working Group」と「XML Query Working Group」は,同仕様を実装して相互運用可能のテストしてくれる協力者を求めている。これらの仕様は,WebサービスやSOAといった分散型コンピューティング・モデルの導入を促進するために重要な要素になるという。

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