米Googleは米国時間10月31日に,書籍本文検索プロジェクト「Google Print Library Project」の再開を発表した。中断していた同プロジェクトの書籍スキャン作業を,11月1日より開始する。「ユーザーはまもなく,より多くの書籍を『Google Print』(ベータ版)で検索できるようになる」(同社)

 Google社が2004年12月に発表した同プロジェクトは,世界の大規模図書館の蔵書をスキャンしてデジタル化し,インターネットで全文検索ができるデータベースを作成するというもの。スタンフォード大学,ハーバード大学,ミシガン大学,ニューヨーク公立図書館,オックスフォード大学などが参加している。主に著作権が消滅した作品,絶版本や希少本を対象にする。

 しかし同社は,さまざまな懸念に対処すべく8月に同プロジェクトを一時中断していた。これまでに作家団体のAuthors Guildや米国出版者協会(AAP:Association of American Publishers)が,同プロジェクトは著作権侵害に当たるとして訴訟を起こしている(関連記事)。

 今回のプロジェクト再開にあたり,同社はすでに出版社との提携に動いていることを明らかにした。「承認を得た書籍をインデックスに追加して,さらに多くの情報と豊富な機能をユーザーに提供する」(同社)

 Google Printでは,検索キーワードに関連した一部の文章,図書目録情報,購入可能な書店,貸し出しを行っている図書館などを確認できるようにする。

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