英Kilnと英Miller Insurance Servicesが,オープンソース・ソフトウエアの使用などによって生ずる損害を補償する保険商品「Open Source Compliance Insurance」を米国と英国でそれぞれ現地時間10月31日に発表した。同保険の開発作業には,米Open Source Risk Management(OSRM)も加わった。

 Open Source Compliance Insuranceは,Linuxなどのオープンソース・ソフトウエアを製品や社内ITインフラで使用している企業が対象。「オープンソース・ソフトウエアによるリスクをカバーする世界初の保険商品」(Kiln社,Miller社)

 オープンソース・ソフトウエアのライセンス違反に対する直接的な損害を,最大1000万ドルまで補償する。製品回収などで失った利益や,状況修復にかかった経費も補償対象に含める。

 「全世界の技術開発コミュニティでオープンソース・モデルが登場したため,従来の保険商品ではカバーできないまったく新しい事業リスクが生まれた。活気にあふれた全世界のオープンソース・コミュニティから重要な革新技術を得る際,同保険はさまざまな規模の企業に安心を提供する」(Kiln社リスク・ソリューション部門保険引受人のMatthew Hogg氏)

◎関連記事
「Linuxを利用する企業が特許侵害訴訟を起こされる可能性あり」,米OSRMが調査結果を発表
「Linuxに著作権侵害は認められず」,米OSRMが調査結果に基づき訴訟費用保険を開始
米OSRM,オープンソース利用企業の法的リスク診断サービスを開始
テンアートニ、OSS利用のリスクを軽減するライセンス管理ツールを国内販売
米JBoss,オープンソース開発向けミドルウエア「JEMS」の免責保証を強化
オープンソースの法的リスクは誰が背負うのか
OSDLがLinuxユーザー企業の訴訟費用を援助する基金を設立,米IBMや米Intelなどが寄付
「米SCOによる訴訟の懸念からLinux導入計画を変えるLinux開発者はわずか12%」,米調査

[発表資料(PDF形式)]