米FaceTime Communicationsが,米America Online(AOL)のインスタント・メッセージング(IM)サービス「AOL Instant Messenger(AIM)」を介して感染するワーム「W32/Sdbot-ADD」について,米国時間10月28日に警告を発した。感染するとパソコンにルートキット「lockx.exe」をインストールし,外部からパソコンを操作できる状態にしたり,個人情報を外部に送信したりする。

 このワームは,AIMユーザーのBuddy List(アドレス帳)に掲載されたほかのAIMユーザーに感染を試みる。AOLのチャット・ルーム経由でも感染する。「すべてのAIMユーザーに感染のおそれがある」(FaceTime社)

 パソコンに感染すると,ルートキットとして機能する実行ファイルlockx.exeをインストールする。lockx.exeはあるIRCサーバーに接続し,攻撃者からコマンドが送られてくるのを待つ。

 lockx.exeには,データのダウンロードおよびアップロード,パソコンの監視といった機能のほか,アンチ・ウイルス・ソフトウエアの動作を止めたり,バックドアを仕掛けたりする機能がある。「180Solutions」「Zango」「Freepod Toolbar」「MaxSearch」「Media Gateway」「SearchMiracle」といったアドウエアやマルウエアをダウンロードし,検索ページをhttp://www.eza1netsearch.com/sp2.phpに変更してしまう。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,AIMで「HILARIOUS!!!」(面白いよ)や「See thing!!!」(見て)といったメッセージをクリックすると同ワームに感染するという。

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