米Broadcom,スウェーデンのEricsson,NEC,フィンランドのNokia,松下電器産業傘下のパナソニック モバイルコミュニケーションズ,米Texas Instrumentsの6社は,米Qualcommが反競争的運営を行ってるとして,欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)に調査を申し立てた。6社がベルギーで現地時間10月28日に明らかにしたもの。

 6社は,Qualcomm社が第3世代携帯電話(3G)技術に関する基本的特許のランセンシングで反競争的行為をとっていると主張。「Qualcomm社はEUの競争法に違反し,同社が国際標準化団体に公約している合理的で公正かつ非差別的な技術のライセンシングを遵守していない。同社のこの公約がなければ,WCDMAが承認されることはなかった」(6社)としている。

 6社はQualcomm社が(1)競合するモバイル向けチップセット・メーカーを市場から締め出し,参入を妨害しようとしている,(2)Qualcomm社はWCDMAの基本的特許に過剰かつ不当なライセンス料を課しているなどと指摘し,「こうした反競争的行為が欧州のモバイル通信分野に悪影響を与えている」と述べている。

 なお,Qualcomm社はこれに関して反論のコメントを同日発表している。「6社の申し立ては,正確な事実に基づいたものではなく,法的なメリットも全くない。当社は,申し立てを行った6社のうち5社を含む多数の企業に130件以上のラインセンス供与を行っており,これと6社の主張は矛盾する」(Qualcomm社)

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[発表資料(2)]