アイルランドのResearch and Marketsが,世界ナノテクノロジ市場に関する調査結果を現地時間10月27日に発表した。それによると,2010年末には市場規模は1兆ドルを超えるという。ナノ・スケールの素材,ツール,装置に対する需要も高まり,2008年時点で287億ドルに達すると予測する。

 ナノテクノロジについて,Research and Markets社は「現代の生活にとって極めて重要な要素となることは間違いない」と指摘する。「特にバイオテクノロジ,電子工学,エネルギー,工業製品の分野は,最も大きな影響を受ける」(同社)

 ナノテクノロジ分野の研究を推進するため,政府の予算額は年間30億ドルに増えた(関連記事)。米国政府はナノテクノロジ研究/開発に対する取り組み「National Nanotechnology Initiative」を通じ,2006年に9億8200万ドルの研究費を投じるとしている。

 民間による投資も盛んで,過去2年間で金額が6倍に拡大した。例えば米Intel,米IBM,米DuPont,米3M,米General Electric(GE),韓国Samsung Electronics,日立製作所などは,2004年に38億ドルの研究費を支出している。企業の研究費を地域別にみると,北米が46%,アジア地域が36%,欧州が17%,その他地域が約1%を占めた。

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