米Strategy Analyticsが,欧州と北米における合法音楽ダウンロード・サービスに関する調査結果を米国時間10月26日に発表した。それによると,2005年の市場規模は10億ドル強で,2010年には45億ドル規模に拡大するという。音楽販売全体に占める割合は,2004年に2%未満だったが,16%近くに伸びると予測する。

 同市場が拡大する要因について,Strategy Analytics社はブロードバンド利用世帯の存在を挙げる。「こうしたユーザー層が,米Apple ComputerのiTunes Music Storeや米RealNetworksのRhapsody,米Napsterや米Yahoo!などさまざまなインターネット・サービス・プロバイダの音楽ダウンロード・サービスを利用する」(同社)

 また同社は,2010年には月額料金制の音楽ダウンロード・サービスの売上高が,オンライン音楽販売全体の60%を超えると見込む。

 これについて,Strategy Analytics社ブロードバンド・メディア&コミュニケーション・サービス担当上級アナリストのMartin Olausson氏は「電話会社,ケーブル事業者,その他ブロードバンド・サービス・プロバイダは,定額制のサービス導入を進める」と述べる。「こうしたサービスには,収入源を安定化するとともに,顧客の解約を減らす効果がある。ポータビリティなど高度な機能を付加することで,長期的に価格を好ましい状態に維持できる」(同氏)

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