米IBMが,オープンソースのJ2EEアプリケーション・サーバー「Apache Geronimo」をベースとするソフトウエア「WebSphere Application Server Community Edition(WAS CE)」と,同ソフトウエア向けのサポート・サービスを米国時間10月25日に発表した。WAS CEは無償で利用可能とし,年内に提供を開始する。
Apache Geronimoは,オープンソース団体Apache Software Foundation(ASF)が開発するEJB対応アプリケーション・サーバー。WAS CEはApache Geronimoをもとに構築しており,中規模企業や大企業の部門向けという位置付け。カスタム化が可能で,運用に必要なリソースが少ないため,管理が容易という。ASFのWebサーバー「Apache Tomcat」に対応しているほか,IBM社のデータベース「Cloudscape」との連携も可能である。
「アプリケーション構築によく使われるサービスがあらかじめ組み込んであるので,アプリケーション開発作業を簡素化できる」(IBM社)
WAS CEには,IBM社が2005年5月に買収した米Gluecode Softwareのソフトウエアを同梱する。なおIBM社は,ASFのApache Geronimo開発プロジェクトに対し,管理ツール「Gluecode Management Console」を寄贈している。
IBM社は,WAS CE向け技術サポート・サービスの提供も行う。料金は1サーバー当たり年額900ドルから。開発者向けの支援サービスもメニューとして用意する。
米メディアの報道(InfoWorld)によると,WAS CEのリリースは11月中旬の予定という。
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