米Texas Instruments(TI)は米国時間10月24日,2005年第3四半期の決算を発表した。売上高は35億9000万ドルで,前期比11%増,前年同期比10%増。好調な半導体事業により,過去最高を記録した。純利益は6億3100万ドル(希薄化後の1株当たり利益は38セント)で,前年同期の純利益5億6300万ドル(同32セント)から成長した。なお,当期の1株当たり利益には株式報酬関連の費用の3セント,税関連費用1セントが含まれている。

 Semiconductor部門の売上高は31億3000万ドルで,前期比,前年同期比ともに13%増。「各種通信機器やエンターテインメント機器に搭載される,DSPおよびアナログ・チップへの需要がとりわけ旺盛だった」(同社)。Sensors & Controls部門の売上高は2億8000万ドル,Educational & Productivity Solutions(E&PS)部門は1億7700万ドルで,いずれも前期と比べ減少した。

 粗利益は17億7000万ドル。Semiconductor部門の好業績により,前期と比べ2億5000万ドル,前年同期と比べ2億8200万ドル増加した。粗利率は49.3%で過去最高となった。

 営業利益は8億1500万ドル,営業利益率は22.7%,営業キャッシュ・フローは15億1000万ドルで,いずれも過去最高を記録した。

 当期の受注額は37億4000万ドルで,前期比10%増,前年同期比24%増。同社によると,「半導体製品の需要増が後押しした」。

 TI社社長兼CEOのRich Templeton氏は,「携帯電話向け半導体市場は,ハイエンド,ローエンドの両分野でリードを保っている」と述べた。「第3世代UMTS対応携帯電話向けソリューションに関しては,2005年には売上高が10億ドルを越え,目標を達成できそうだ。また,低価格の携帯電話市場でも,当社の製品は中国,インド,ブラジル,アフリカなどで普及し始めている」(同氏)

 同社は第4四半期の業績予測も明らかにした。売上高は34億2500万~37億1500万ドル,1株当たり利益は36~40セントの範囲。部門別の売上高は,Semiconductor部門が30億7500万~33億2500万ドル,Sensors & Controls部門は2億9000万~3億1000万ドル,E&PS部門は6000万~8000万ドルの範囲とみる。

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