米Hewlett-Packard(HP)は,オーストラリアCartridge World傘下の米Cartridge WorldNorth AmericaがHP社の特許に抵触する,インク入り中古カートリッジを扱っていると指摘した。HP社が米国時間10月20日に明らかにしたもの。HP社によると,Cartridge World社と契約を結んでいる複数の加盟店が,特許侵害にあたるインクの補充された中古カートリッジを販売したという。

 HP社イメージング&プリンティング・グループ消耗品担当上級副社長のPradeep Jotwani氏は,「当社は年間数100万ドルの研究開発費をつぎ込んで顧客の利益となる革新技術を生み出しており,この投資を守るため厳しい態度で臨む」と述べる。「Cartridge World社には,加盟店が迅速に法律を守るよう働きかけてもらいたい」(同氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Cartridge World社の加盟店はショッピング・モールやオフィス街などで,HP社のほかエプソン,キヤノン,米Lexmark Internationalなどの使用済みカートリッジにインクを補充したものを,割安の再生カートリッジとして販売している。Cartridge World社のカートリッジの価格は,HP社の「56」対応品が17.72ドル(正規品は35.35ドル),「78」対応品が26.57ドル(同53.07ドル)という。

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