米AT&Tは,2005年第3四半期の決算を米国時間10月21日に発表した。連結売上高は66億ドルで,前年同期と比べて13.3%の減収となった。「長距離音声およびデータの売上高が引き続き落ち込んでいるのが要因」(同社)。純利益は5億2000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は64セント)で,前年同期の純損失71億ドル(希薄化後の1株当たり損失は8ドル99セント)から黒字転換を果たした。

 営業利益は9億5500万ドルで,前年同期は営業損失113億ドルだった(資産の減損およびリストラ関連費用など125億ドルを除いた場合,営業利益11億ドル)。

 「2005年第3四半期の堅調な業績は,同社の消費者およびビジネス向け戦略の両方が奏功したことを示している」(AT&T社会長兼CEOのDavid W. Dorman氏)

 事業別にみると,企業向け事業であるAT&T Business部門の売上高は51億ドルで,前年同期と比べて9.5%減少した。価格競争などにより,長距離通話の売上高は前年同期比12.7%減,データ通信は同11.1%減となっている。市内通話の売上高は同19.7%減。消費者向け事業であるAT&T Consumer部門の売上高は15億ドルで,前年同期と比べて24.3%減少した。営業利益は,AT&T Business部門が5億1300万ドル,同Consumer部門が5億4100万ドルだった。

 同社はさらに2005年通期の業績見通しを明らかにした。2005年第1~3四半期までの流れを踏まえた上で,2005年通期の連結売上高は265億ドル以上を見込んでおり,年初予測の上限を約5億ドル引き上げた。

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