米Warner Bros. Entertainmentと同社ビデオ事業部門Warner Home Videoは米国時間10月20日に,次世代光ディスク規格「Blu-ray Disc」へのサポートを明らかにした。同規格の業界団体Blu-ray Disc Association(BDA)の役員会に加わり,同規格に対応したコンテンツをリリースする。

 Warner Bros.社はこれまで,Blu-ray Discの競合規格「HD DVD」を支持していたが,両規格をサポートすることになる。

 同社は,北米,日本,欧州におけるBlu-ray対応プレーヤの登場に合わせる形で,Blu-rayフォーマットの映画タイトルを投入する。

 Blu-ray Discは,波長405nmの青紫レーザーを使用した大容量光ディスク・フォーマットで,片面単層ディスクに最大25Gバイト,片面2層ディスクに最大50Gバイトのデータを記録できる。高解像度テレビなどの家電機器で長時間の記録が可能になるため,次世代の光ディスク規格として期待が寄せられている。高度な著作権保護技術や既存DVD規格との互換性を備える。

 BDAの役員会企業にはWarner Bros.社のほか,米Twentieth Century Fox,米Apple Computer,米Dell,米Hewlett-Packard(HP),日立製作所,韓国のLG Electronics,三菱電機,松下電器産業,パイオニア,オランダのRoyal Philips Electronics,韓国のSamsung Electronics,シャープ,ソニー,TDK,フランスのThomson,米Walt Disney Pictures and Televisionなどが名を連ねる。現在同団体に150社以上が参加しているという。

 なお,Warner Bros.社のBlu-rayサポート表明について,HD DVD推進派の東芝が10月21日にコメントを発表した。「当社とWarner Bros.社は,HD DVDの本格始動に向けて引き続き密に協力する。機能,コスト構造,市場準備が優れているHD DVDを,Warner Bros.社が今後も強く支持すると理解している」(東芝)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Blu-rayとHD DVDでは,Blu-rayが優勢のようだ。HD DVD支持派でBlu-rayへの対応を加えた企業はあるが,Blu-ray支持派はHD DVDサポートを追加していない。

 しかし最近,HP社が動きを見せた。同社は10月19日に,HD DVDフォーマットの著作権保護機能「Managed Copy」とインタラクティブ機能「iHD」をBlu-rayに盛り込むようBDAに正式申請したことを発表している。

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