米Microsoftは米国時間10月20日に,技術格差を解消するための取り組みについて明らかにした。120万ドルの基金「Digital Inclusion」を創設し,医療,教育,社会経済に役立つ技術の学術研究を支援する。

 Digital Inclusionでは,モバイル端末,携帯電話,ネットワーキングなどの技術を使ってコンピューティングを手軽に活用する手段の開発に取り組む研究に資金援助する。2005年11月7日から2006年1月13日まで応募を受け付ける。援助対象の選考結果は2006年2月10日に通知する。

 そのほか,「Inspire」プログラムでは,アフリカ,欧州,中東の先進国および発展途上国における学術機関どうしの交流促進を図る。主な内容は以下の通り。

・コンピュータ科学の教員を必要とする発展途上国の大学に,欧米の講師や研究者をボランティアで派遣

・発展途上国に役立つコンピューティング科学分野の博士課程を履修する予定の優秀な学生に奨学金を支給

 Microsoft社研究部門上級バイス・プレジデントのRick Rashid氏は,「コンピューティングとコミュニケーション技術によって実現する人と情報のつながりは,経済,教育,社会の発展にとってますます重要になっている。当社のプログラムで,コンピューティング技術を追求するより多くの研究者を支援し,世界規模でのデジタル・インクルージョン(デジタル享受社会)に向かって前進することを期待している」と述べた。

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