ドイツのSAPは,2005年第3四半期の決算速報を現地時間10月20日に発表した。売上高は20億1000万ユーロで,前年同期の17億8000万ユーロに比べ13%の増収となった。純利益は,前年同期の2億9100万ユーロ(1株当たりの利益は0.94ユーロ)から15%増の3億3400万ユーロ(同1.08ユーロ)となる。

 一時的な費用を除いたプロフォルマ・ベースの純利益は3億3700万ユーロ(同1.09ユーロ)。前期から12%の増益となった。前年同期は3億200万ユーロ(同0.97ユーロ)だった。

 営業利益は5億1700万ユーロで,前年同期の4億6100万ユーロに比べ12%増。プロフォルマ・ベースの営業利益は5億2000万ユーロで,前年同期の4億7500万ユーロに対し9%増益となった。また,同期の営業利益率は25.7%で前年同期から0.30ポイント低下した。プロフォルマ・ベースの営業利益率は25.8%で,前年同期に対し0.90ポイント減となった。

 ソフトウエアによる収入は5億9000万ドルで前年同期から20%の増収。地域別にみると,米国が1億1990万ユーロ(前年同期比34%増),欧州/中東/アフリカが2億6300万ユーロ(同6%増),アジア太平洋地域が8100万ユーロ(同18%増)だった。

 SAP社CEOのHenning Kagermann氏は,「当期は,ふたたび高い業績をあげることができた。ソフトウエアの売上高で第3四半期として過去最高を記録し,ライバルに対してシェアを拡大するとともに米国においてもライバルとの差を広げている」とコメントしている。

 SAP社の企業向けソフトウエアの世界シェアは,同四半期末現在で60%となり,前期の58%から拡大。米国内のシェアも41%から44%に伸ばしている。

 同社は2005年通期の業績見通しについても明らかにした。主な内容は以下の通り(為替レートは1ユーロ:1.30ドルで換算)。

・2005年通期のソフトウエア収入は,これまでの前年比10~12%増から12~14%増に上方修正

・プロフォルマ・ベースの営業利益率は,前年比約0.0~0.5ポイント増

・プロフォルマ・ベースの1株の利益は,4.70~4.80ユーロとしていた従来予想を引き上げ、4.85~4.95ユーロの範囲に設定

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