米Sun Microsystemsは,Jini技術の開発ツールキット「Jini Technology Starter Kit 2.1」のリリースを米国時間10月19日に発表した。同キットは,Apacheオープンソース・ライセンスの下に提供され,「Jini.org」からダウンロードできる。

 「企業にとって分散型コンピューティングの重要性が高まっているときに,同キットの新版を提供できることを喜ばしく思う。OpenSolarisプロジェクトといった当社の他のオープンソース構想と同じように,同キットは,最新のJini技術に自由なアクセスを提供することで開発者を支援するものである」(Sun社Jini技術プログラム・ディレクタのMark Hodapp氏)

 同社は,Jini技術により,Javaの動的ネットワークを使って変化に適応できる分散型システムの構築が可能になると説明している。また,同技術により,自動修復/自己管理機能の提供が可能になり,システムの可用性,柔軟性が向上するとともに低コストの開発と導入が可能になるという。

 最新版のキットでは,異なるネットワーク・コンポーネントのやり取りを処理するJava Spacesサービスが実装され,バッチ・オペレーションの処理を向上させている。そのほかにも,一般的なJini技術システム開発を容易にするために設定ファイルが追加され,複数のIPアドレスに対応するようになっている。

 同キットに加えられた機能強化などの詳細はWebサイトに掲載されている。

 同社によれば,現在Jini技術をベースとするソリューションがグリッド・コンピューティング,eビジネスといった成長中の市場で導入されており,米BOOMI,シカゴ証券取引所,米GigaSpaces,米Valaran,米Orbitzといった企業や組織がJini技術を採用したと紹介している。

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