米IBM,米EMC傘下の米VMware,米Citrix Systemsは,IBM社製サーバーをベースとするシン・クライアント・システム「IBM Virtualized Hosted Client Infrastructure」の提供で協力する。IBM社が米国時間10月19日に明らかにしたもの。
同システムは,IBM社の「xSeries」「BladeCenter」製品系列のサーバーを中心に,VMware社の仮想化ソフトウエアとCitrix社のサーバー・ソフトウエアで構成する。サーバーのリソースを仮想化して各クライアントから利用可能とし,「完全な機能を備えるデスクトップ環境」(IBM社)を複数のユーザーに提供する。サーバーを効率よく利用できるので,全体的なコストを最大60%節約し,6カ月間で投資を回収できるという。
各クライアントは,印刷,USBドライブ接続,デュアル・モニター,オーディオといったスタンドアロン・デスクトップ環境と同等の機能を備えているので,「ホステッド・クライアント・アーキテクチャ導入の大きな障害となっていた“デスクトップ・ユーザーの抵抗”に遭わない」(IBM社)。さらにパソコンなどの“ファット・クライアント”で問題となる,ウイルス感染やハード・ディスク装置の故障,クライアントごとに必要な設定作業などから管理担当者を解放できる。
最初に提供するシステムは,BladeCenterと「Citrix Presentation Server」に,VMware社の仮想化ソフトウエアを組み合わせる。現在一部顧客の協力を得て試験導入中で,2006年第1四半期に利用可能とする予定。
米メディアの報道(InfoWorld)によると,1台のBladeCenterサーバーは平均12~14個の仮想デスクトップを動かせるので,14枚のブレード・サーバーを搭載するラック1台で合計168台ほどのクライアントを接続できるという。
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