Linux標準化活動を推進する非営利団体Free Standards Group(FSG)と,Linux標準規格「Linux Standard Base(LSB)」を策定する組織LSB Workgroupは,Linuxデスクトップの普及促進に取り組む新グループ「LSB Desktop Project」を結成した。FSGとLSB Workgroupが米国時間10月18日に明らかにしたもの。標準ライブラリの作成やアプリケーション動作仕様の策定を行い,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)によるデスクトップ・アプリケーション開発活動を支援する。
FSGとLSB Workgroupは,Linuxデスクトップを普及させるためには「アプリケーション実行時とインストール時の条件を標準化し,これを主なLinuxディストリビューションに採用させる必要がある」と述べる。
「ところがアプリケーション開発者は,さまざまな違いのあるライブラリやディストリビューションに合わせるために,しかたなくコンパイルし直す羽目になっている。こうした複雑で高コストな開発/サポート環境のせいで,ISVはLinuxデスクトップを開発対象としなくなる。その結果エンド・ユーザーの選択肢が減り,特定メーカー製OSに対する(Linuxの)競争力も失われる」(FSG,LSB Workgroup)
この問題を解消するため,LSB Desktop ProjectはLinuxデスクトップの中核部分を標準化する。具体的には,デスクトップ・ツールキットや汎用ライブラリを標準化したり,標準仕様の適用範囲を拡大してインストール時の問題を解決したりする。
仕様の初版は2006初頭に公開する予定。その後「Linux Standard Base Desktop」仕様にもとづく認定プログラムの運営も計画している。
LSB Desktop Projectの主な参加企業は以下の通り。米Adobe Systems,米IBM,米Intel,米Hewlett-Packard(HP),米Linspire,フランスMandriva,米Novell,米RealNetworks,米Red Hat,ノルウェーTrolltech,米Xandros。
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