米IBMは,2005年第3四半期(7~9月期)決算を米国時間10月17日に発表した。同期の売上高は,前年同期から8%減の215億ドルだった。中国Lenovoに売却したパソコン事業を除外すると,売上高は前年同期比4%増となる。

 純利益は前年同期から2.5%減の15億1600万ドル。海外利益の本国送金に伴う税関連費用の5億2500万ドル(1株当たり32セント),年金訴訟の和解にかかわる費用(同11セント)などの特別損失を含む希薄後の1株当たりの利益は94セント。これらを除いた場合,同期の純利益は前年同期から17%増の20億ドルで,1株当たりの利益は同22%増の1.26ドルとなった。

 同期の粗利益率は,前年同期の36.5%に対して40.6%に改善した。パソコン事業を除外した場合,前年同期の粗利益率は40.0%だった。

 同社会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「同期の業績は良好だった。リストラと欧州における経営の合理化の結果が出始めており,同期は1株当たりの利益を大きく改善することに成功した」と述べた。

 継続事業による売上高を地域別でみると,米大陸は96億ドルで前年同期比5%減(為替の影響を除いた場合5%増加)。EMEA(欧州/中東/アフリカ)は69億ドルで同6%減(同5%増)。アジア太平洋地域は43億ドルで同17%減(同2%減)。OEM収入は8億1400万ドルで同12%増加した。

 パソコン事業を除くと,同社の主要5事業部門のうち,Public,Distribution,Small and Medium Businessesの3部門で売上高が上昇している。特にBusiness Performance Transformation Servicesの売上高は前年同期から35%の増収となっている。

 事業別でみると,Global Services部門の売上高は117億ドルで,前年同期比3%増(為替の影響を除いた場合は3%増)。当期中に獲得したサービス契約の規模は合計110億ドルを超えた。

 ハードウエア事業の収入は51億ドルで,パソコン事業部があった前年同期の75億ドルと比べて32%減少(為替の影響を除いた場合は33%減)となった。パソコン事業の売上高を除いた場合,7%の増収(同6%)となる。

 ソフトウエア収入は38億ドルで前年同期比5%増加。WebSphereやDB2,Rational,Tivoli,Lotus製品を含むミドルウエアによる収入は30億ドルで前年同期6%の増収となった。OSの収入は同2%減の5億8800万ドルとなった。

 Global Financing部門の売上高は前年同期比6%減(為替の影響を除いた場合は7%減)の6億ドル。Enterprise Investmentsおよびその他の部門は同9%増の3億200万ドルだった。

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