Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は,携帯電話市場におけるLinux普及促進を図るワーキング・グループ「Mobile Linux Initiative(MLI)」の発足を明らかにした。立ち上げメンバーは,米MontaVista Software,米Motorola,米PalmSource,ノルウェーのTrolltech,米Wind Riverなど。

 OSDLはMLI発足について,「OSDLメンバーの意見と,Linuxベースのモバイル・プラットフォームに対する世界的需要増に応えるもの」と説明。「携帯電話市場が拡大するにつれ,携帯電話メーカーは戦略的プラットフォームとしてますますLinuxに注目し,より豊富な機能の装備,柔軟性の向上,市場投入への時間短縮,コスト低下を図ろうとしている」(OSDL)

 MLIは,OSに関する技術的課題に取り組み,Linux搭載携帯電話向けのアプリケーション開発を支援し,要求定義の文書化と使用事例を提供する。また,補完的オープンソース・プロジェクトのホスティングも行う。

 「キャリア向けLinuxの要求定義『OSDL Carrier Grade Linux』のワーキング・グループは,電気通信ネットワーク・インフラにおけるLinuxの導入促進を後押しした。MLIも同様に,デバイス・メーカー,ネットワーク事業者,開発者がLinuxやオープンソース・アプリケーションに焦点を当て,新たな段階の機能性と有益性を備えた携帯電話を生み出すための理想的なフォーラムとなるだろう」(OSDLのCEO,Stuart Cohen氏)

 ちなみに米Ovumによると,2004年の世界携帯電話市場は前年比31%成長した。2009年に使用されている携帯電話は28億台を上回る見込み。

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[発表資料(OSDLのプレス・リリース)]
[発表資料(PalmSource社のプレス・リリース)]