ソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)はベルギーで現地時間10月13日,米国および欧州の音楽配信市場に関する調査結果を発表した。それによると,デジタル著作権管理(DRM)に対応した欧米オンライン音楽配信市場の売上高は,2004年に約2億3500万ユーロ(約2億8200万ドル)だったが,2008年には18億6000万ユーロ(約22億3500万ドル)に達する見込みという。

 西欧単独でみると,2005年に1億640万ユーロ規模に達し,2008年には5億5910万ユーロ規模に拡大する見込み。「500%を上回る急成長を遂げることになる」(BSA)

 しかしBSAは,「欧州の消費者は,同じ楽曲に対して米国消費者の何倍もお金を支払っている」と指摘する。 欧州では,英国,アイルランド,ルクセンブルグなどを除くほとんど国でデジタル機器に個人複製税がかけられている。本来は,規制不可能な個人的複製による著作権料の損失を補償するものだったが,「DRMの導入によってその意味は失われ,消費者にとって余分な二重課税となっている」(BSA欧州担当パブリック・ポリシー・ディレクタのFrancisco Mingorance氏)。

 ドイツの同業者団体Bitkomによると,オンライン音楽配信サービスなどから著作権保護されたデジタル・コンテンツを合法的に購入している消費者でも,パソコン,スキャナ,プリンタ,CD/DVD記録装置などに最大150ユーロの個人複製税を支払っている。

 BSAは,2002~2006年に,フランス,スペイン,ドイツ,オランダ,イタリアにおける個人複製税が500%増えると予測している。

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