米JBossがスペインのバルセロナで現地時間10月11日に,欧州で初のユーザー会議兼展示会JBoss World Barcelona 2005を開始した。JBoss社はサービス指向アーキテクチャ(SOA)への取り組みを強調し,オープンソース開発用ミドルウエア「JBoss Enterprise Middleware System(JEMS)」のSOA対応や,ビジネス・プロセス管理用(BPM)ソフトウエアの新版「JBoss jBPM 3.0」におけるSOA機能拡張などに触れた。
同社によると,JEMSはSOAソリューション展開用プラットフォームに使用される例が増えているという。「市場で唯一の相互接続性があるSOA用オープンソース・プラットフォームとして,機能強化を続ける」(同社)。具体的には,2006年初頭に新ソフトウエア「JBoss Messaging」を提供し,2006年遅くにリリースする「JBoss Enterprise Service Bus(ESB)」のバックボーンとして利用できるようにする。
JBoss jBPMは,ワークフロー・エンジンとしての機能を備えたビジネス・プロセス管理用(BPM)ソフトウエアである。内蔵のビジネス・プロセス管理(BPM)基盤を用い,自動化したビジネス・プロセスやワークフローを開発できる。さらにBusiness Process Execution Language(BPEL)を使って,複数のビジネス・プロセスを協調させることも可能。
新版のJBoss jBPM 3.0は,ワークフロー,BPM,協調という3つの機能を単一製品で提供する。ライセンスはLesser General Public License(LGPL)を適用する。同社のWebサイトで,同日より無償ダウンロードできる。
また同社はJBoss World Barcelona 2005で,Javaビジネス・ルール・エンジンを開発するオープンソース・プロジェクト「Drools project」が同社傘下のコミュニティになることを明らかにした。Droolsのルール・エンジンをJEMSに組み込み,JEMSのSOA機能強化を図る。
Droolsの主力開発者であるMark Proctor氏は,同社にソフトウエア・アーキテクトとして参加する。Drools project設立者のBob McWhirterは,JEMSへのビジネス・ルール・エンジン組み込みに関するアドバイスを行う。
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[発表資料(JEMS,PDF形式)]
[発表資料(JBoss jBPM 3.0,PDF形式)]
[発表資料(Drools project,PDF形式)]