米IBMは,新しい仮想化技術を米国時間10月10日に発表した。新製品は,テープ・ストレージからソフトウエア・ウィザードまで異なる業界の顧客のニーズに対応するように設計されている。また,同社の仮想化技術を利用したアプリケーションの作成を支援する独立系ソフトベンダー(ISV)向けのプログラムも発表した。

 同日発表された「Virtualization Engine TS7510」は,メインフレームだけでなくUNIXとIntelサーバーを結ぶソリューション。システム管理者は,サーバー上の仮想化したテープ・ライブラリにデータをバックアップして,後でテープ・ストレージに移すことができる。このプロセスにより,データのバックアップと修復にかかる時間短縮を目指している。

 同製品は,シングル・ノードでエントリ・レベルの5Tバイト構成が17万5000ドルから。デュアル・ノードで46Tバイトのデータ処理に対応する構成で69万5000ドル。10月28日にリリースが予定されている。

 同社は,11月中旬にストレージ仮想化ソフトの新版「TotalStorage SAN Volume Controller(SVC)3.1」のリリースを予定している。価格は,基本構成で4万3000ドルから。最新版では,従来のバージョンに比べて最大で4倍のサーバーをサポートする。

 また,xSeriesとBladeCenterサーバーのユーザー向けにシステム管理ソフトウエアの「Director 5.10」を10月26日にリリースする。また,年内にiSeries,pSeries System z9,zSeriesサーバー向けにも同管理ソフトの提供を予定している。

 新しい「IBM Advanced Cabling Technology(ACT)」スイッチの価格は1999ドルから。同スイッチは,Ethernet接続を通じて,リモートからインストール/アップグレード/ダウンロードできるため,複雑なIT環境を集中管理できるようになるという。

 ISVは,同日発表されたパートナ向けプログラム「Ready For Virtualization」を通じてeServerシステム上で仮想ソフトのテストと評価ができるようになる。同プログラムは,先ごろ同社が発表した「Ready for Grid」プログラムを補完するもの。同プログラムに関する詳細は,同社Webサイトに記載されている。

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