米Intelは米国時間10月7日,英Zarlink Semiconductorの高周波フロント・エンド消費者事業を買収することで両社が合意に達したと発表した。Zarlink Semiconductor社は衛星,地上,ケーブル市場向けにデジタル復調技術やチューナ技術を提供する企業。買収は規制当局の承認を得る必要がある。米メディア(InfoWorld)によると,買収金額は約7000万ドルという。

 Intel社では,デジタル・ホーム戦略の一環として,デジタルTV,デジタル・セットトップ・ボックス,デジタル・メディア・レコーダなど,各種家電製品の開発に取り組んでいる。買収する技術資産は,こうした家電製品のフロント・エンド部に相当し,デジタル信号を受信したり,オーディオ/ビデオ・ストリーミングを抽出,復調し,再生/保存するためのものという。

 Intel社副社長兼Consumer Electronics Group担当ジェネラル・マネージャのGlenda Dorchak氏は,「エンターテインメントと家電分野におけるデジタル製品は,その基盤となる技術や配信インフラとともに,大きな過渡期を迎えている」と説明する。「さまざまな家電製品で重要な役割を果たす復調とチューナ技術の買収により,同社のデジタル家電製品の開発とロードマップを強化できる」(同氏)

 なおIntel社は今年2月に,ビデオ処理技術を持つイスラエルのOplus Technologiesも買収している(関連記事)。

◎関連記事
米Intel,「デジタル・ホーム」に向けた技術構想を発表
「デジタル・ホームの実現には家電の接続性と相互運用性が必要」,米IntelのCEOのBarrett氏
米IntelがHDTV向け半導体技術を発表,「大型テレビの画像品質を向上し,低価格化を実現する」
米Intelと米Microsoft,「デジタル・ホーム」構想の共同キャンペーン
米Microsoft,デジタル家電を標的に「Windows XP Media Center Edition 2005」を発表
米HPの新デジタル・エンタテインメント戦略,新製品や松下とのDVDフォーマット連携などを発表
「米国家庭の家電購入額は年間平均1250ドル以上,デジタルへの移行が追い風」,業界団体の調査
「2005年の家電業界,前年比11%増の1257億ドル規模に」,業界団体の調査

[発表資料へ]