米Novellは,Linuxデスクトップの品質を向上させるための新しいプロジェクト「Better Desktop」の発足を米国時間10月10日に発表した。同プロジェクトは,デスクトップLinuxの普及促進を狙ったもの。成功しているデスクトップ設計に関するユーザービリティ・テストの結果などをオープンソース開発者に提供し,ユーザーのニーズに合ったアプリケーションの作成を支援する。

 Novell社は,Better DesktopのWebサイト(betterdesktop.openSUSE.org)から,オープンソース開発者向けにさまざまなLinuxデスクトップの使用事例のビデオ映像や分析とともに,ユーザービリティ・テストのデータを提供。また,コストを抑えてユーザービリティ・ラボを運営する方法なども解説している。

 同社の実施したユーザービリティ・テストでは,Windowsを利用した経験はあるが,Linuxのことはまったく知らないユーザーに対してLinuxデスクトップで基本的な作業をしてもらった結果も提供している。同社は,「オープンソース・エンジニアが,よりユーザーのニーズに合ったパッケージやアプリケーションを作成することにより,Linuxデスクトップの全体的な品質が向上するだろう」とコメントしている。

 「プログラマとして,技術知識を持たない一般ユーザーが自分の開発したソフトウエアに対してどのような反応を示すのかを知るのは難しい。さまざまなプロジェクトに取り組む開発者がbetterdesktop.openSUSE.orgを訪問してこれらの調査結果を基に,異なるアプリケーション,デスクトップ,ディストリビューションのデザインを改善することを期待したい」(同社コラボレーション/デスクトップ・エンジニアリング担当副社長のNat Friedman氏)

 Better Desktopは,8月に発足したopenSUSEプロジェクトの一環として実施される。同社が支援するopenSUSE.orgは,個人向けLinuxディストリビューション「SUSE Linux」がエンド・ユーザーに利用されるように開発者がレビュー,テスト,開発を行なうことを目的としている。プロジェクト開始から8週間で,同プロジェクト・サイトは400万を越えるページ・ビューを記録している。登録ユーザー数は7000人で,SUSE Linux 10.0のベータ版は3万回以上インストールされている。

 openSUSE発足後初のメジャー・バージョンアップとなるSUSE Linux 10.0の正式版は10月6日にリリースされている。

◎関連記事
Novell SUSE Linux 10.0発売,opensuse.orgで無償公開
pensuse.orgなど米Novellのサイトが不正アクセス被害,原因はblogモジュールのセキュリティ・ホール
米Novell,デスクトップ向けOS「SUSE Linux 10.0」を10月に販売開始
米NovellがopenSUSE projectを開始,米Red HatのFedoraに対抗
米Linspire,デスクトップLinuxの最新版「Linspire Five-0」をリリース

発表資料へ