米IDCは,IT業界の受給動向に関する調査結果を米国時間10月4日に発表した。それによれば,ハリケーン「カトリーヌ」とそれに続く原油価格の上昇により,企業のIT支出は短期的な影響を受けることが予想されるという。

 成長率ゼロを1000ポイントとした場合,10月から12ヶ月の市場におけるIT製品とサービスに対する需要(Buyer Intent)は1029ポイントで,同社が2004年に調査を開始して以来もっとも低い成長率となった。前月は1061ポイントだった。一方,同期における供給(Market Indicators number)は,前月の1064ポイントから1058ポイントに落ちると予想される。

 同社調査担当主任のJohn Gantz氏は,「企業幹部を対象にした調査において,この結果はカトリーナに対する本能的な反応のように見受けられる。カトリーナによる経済的影響の予測の大半が,短期的に米国経済に打撃を与えるが2006年に回復すると見ている。このニュースがITと企業幹部に浸透することにより,IT支出は回復すると予想される」とコメントしている。

 同社は,今後12ヶ月における米国のIT支出は5%弱になると予測している。

 また,同氏は「特に原油とガスの価格がさらに上昇する可能性があるため,状況は数ヶ月前よりも不安定になっている。この調査では,ガソリンの価格が3ドル未満を維持したと仮定して行なっている。価格がそれよりもはるかに高くなった場合,または天然ガスとホーム・ヒーティング・オイルの価格上昇が冬期にぶつかった場合には,消費者支出と信頼が下落し,業績やIT支出に影響を与える可能性がある」と述べている。

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