米Microsoftは米国時間10月2日に,オフィス・スイートの次期版「Office 12」(開発コード名)でPDFフォーマットをネイティブ・サポートする計画を明らかにした。同社Office製品開発部門上級バイス・プレジデントのSteven Sinofsky氏が,Most Valued Professionals(MVP)認定者を集めたセッションでデモを行ったという。

 Sinofsky氏の説明によると,「Office Word」「同PowerPoint」「同Excel」「同Access」「同InfoPath」「同Publisher」「同Visio」などのOfficeアプリケーションでは,「Save As(別名で保存)」コマンドを使ってPDFフォーマットの書類保存が可能。

 同機能を組み込む理由について同氏は,「ユーザーの要望にダイレクトに応えるため」と述べた。「Office製品に関するWebサイト『Microsoft Office Online』には,同機能を望む声が世界から毎月12万件も寄せられた」(同氏)

 生成されたPDF書類は,読み取りのみ可能。PDF 1.4に対応したあらゆるPDFビューワと互換性を維持し,「Adobe Acrobat」のバージョン5.0以降で閲覧できる。ハイパーリンクを含めることも可能。

 また,Office Publisherで保存したPDF書類は,CMYKカラー・モデルやページ記号印刷といったプリプレス機能をサポートする。

 なお,生成されたPDF書類は,「Adobe DRM」やパスワード・システムには対応しない。

 ちなみに,Office 12は2006年後半にリリースする計画である。

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