全米仲裁協会(NAF:National Arbitration Forum)は,米Yahoo!の所有するドメイン名と紛らわしい54個のドメイン名について,法的権利がYahoo!社にあると判断した。NAFが米国時間10月3日に明らかにしたもの。

 Yahoo!社は2005年8月5日に,同社のドメイン名とよく似た「homepageyahoo.com」「yahoocalendar.com」「fantasysports-yahoo.com」などの法的権利について,NAFに調停を申請していた。これらのドメイン名は,Bill Edwards a/k/a 1Ssteriods.comが2002年2月から2005年1月にかけて登録した。ちなみにYahoo!社は,1997年に商標登録を行った。

 調停申請に対しBill Edwards a/k/a 1Ssteriods.com側から反応が得られなかったため,NAFはYahoo!社に権利があると認めた。さらにNAFは,「Bill Edwards a/k/a 1Ssteriods.comの所有しているドメイン名は,Yahoo!社の商標と似ていて混乱を招く」と指摘した。

 調停の対象となったドメイン名のWebサイトにアクセスすると,Bill Edwards a/k/a 1Ssteriods.comの運営するサイトに誘導される。誘導先には,Yahoo!社と競合する他社のサービスへのリンクが設けてあるという。「Bill Edwards a/k/a 1Ssteriods.comはこうしたドメイン名を悪用し,利益を得ていた模様だ」(NAF)

◎関連記事
「有名サイトに似たドメイン名を取得する『Typosquatting』を多数確認」---フィンランドF-Secure
“フィッシング時代”のメール「べからず」集
「Google.com」に酷似のドメイン名,法的権利は米Googleにありと米NAFが判断
DNSサーバーの管理に注意,消防庁サイトがドメイン名期限切れで危うく第三者が取得し偽装できる状態
「URLの入力ミスには注意,危険なサイトへアクセスする恐れあり」---F-Secure
「paypаl.com」と「paypal.com」,違いが分かりますか?---IDNによるURL偽装問題
「『国際化ドメイン名によるURL偽装』はレジストリが原因,ブラウザのせいではない」――JPRS
「visa-secure.com」や「fedora-redhat.com」は偽サイト,有名企業に見せかけたURLに注意

[発表資料へ]