次世代光ディスク関連の業界団体Blu-ray Disc Association(BDA)のメンバーである米Dellと米Hewlett-Packard(HP)が米国時間9月29日に,米Microsoftと米Intelの出した「不正確なBlu-ray Disc(BD)フォーマットの情報」(Dell社,HP社)に反論した。BDAが同日明らかにしたもの。

 先日Microsoft社とIntel社は,BDフォーマットと競合関係にあるHD DVDフォーマット支持の方針を打ち出した。米メディアの報道(CNET News.com)によると,両社はHD DVD支持を発表した際,「HD DVDの方が家庭内ネットワークでの映画鑑賞に適しており,標準解像度と高精細画像の両方を1枚のディスクに記録するハイブリッド・ディスクの製造が容易」などと説明したという。

 Microsoft社とIntel社は,HD DVDの方が「容量」「Managed Copy機能を備えている点」「互換性」「インタラクティブ性」「製造コスト」などの点でBDよりも優れているとしている(関連記事)。

 これに対しHP社個人向けストレージ事業担当ジェネラル・マネージャのMaureen Weber氏は,「(Microsoft社とIntel社による)火曜日(9月27日)の見解は,コンピュータ業界の圧倒的多数のそれと異なっており,我々が消費者を対象に実施した調査結果にも反していて驚いた」と述べる。「BDAに参加しているすべてのコンピュータ・メーカーは両フォーマットを詳細に検討したうえで,消費者の要求に合致し,最高の環境を提供できる優れたフォーマットとして最終的にBDを選んだ」(同氏)

 Dell社とHP社による主な反論内容は以下の通り。

・容量:
 BDの容量は50Gバイトで,当初よりBD-ROM,BD-R,BD-REはこれに対応する。読み出し専用のHD DVD-ROM(30Gバイト)より容量が67%多く,書き込み可能な容量は150%多い

・Managed Copy:
 著作権保護を実現するManaged CopyはBDフォーマットが備えている機能ではなく,コンテンツ保護システムADVANCED ACCESS CONTENT SYSTEM(AACS)で実現する。AACSは,BDとHD DVDの双方が採用している

・ハイブリッド・ディスク:
 ハイブリッド・ディスクはBDが初めて規格化した。片面に標準解像度と高精細の両映像を記録するので扱いやすい

・互換性:
 BD対応プレーヤ/レコーダは,赤色レーザーを追加すれば既存のDVDに対応できる。HD DVD対応機器もDVDとの互換性を確保するには赤色レーザーの追加が必要

・インタラクティブ性:
 HD DVDが採用したMicrosoft社のインタラクティブ機能「iHD」に比べ,BDの「BD-Java」はセットトップ・ボックスやパソコン,携帯電話機で使用実績があり,次世代DVDに適した機能を備える

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