米Symantecは,VERITAS社の買収で獲得したバックアップ・ソフトの新版「Symantec Backup Exec 10d」と,これを補完するWindows向けシステム復旧ソフトの新版「LiveState Recovery Suite 6.0」を米国時間9月27日に発表した。両製品を組み合わせれば,使用する機器にかかわらず安全なディスク・ベースのバックアップとあらゆる時点からのデータ復旧が保障されると説明している。

 同社は,Windows環境において情報の整合性を確保するための戦略として,インターネット上のさまざまな脅威から情報を守ることを1番に掲げている。2番目として情報に常にアクセスできる状態を実現し,管理者の誤り,ハードウエアの故障,災害などの被害を回避できるようにすることを挙げている。

 同社副会長兼社長のGary Bloom氏は,「悪意のあるプログラム,自然災害,ハードウエアの故障など,企業は日常のITオペレーションにおいて,従来にないレベルの危険に直面している。そのため,同社のAntiVirus,Backup Exec,LiveState Recovery製品を通じて企業のWindows環境におけるデータとシステムを保護する包括的なソリューションを提供することになった」とコメントしている。

 同社によれば,企業が扱うデータ量は,年間平均50%増加している。そのため管理者にとっては管理すべきデータが増加する一方で,定期的なシステム・メインテナンスを行なう時間が少なくなっている。Backup Exec 10dとLiveState Recovery 6.0を併用することにより,Windowsを利用している組織は,ファイル,電子メール,データベース,Windowsシステムを迅速に復旧することができるという。

 Backup Exec 10dでは,Windowsファイルをバックアップするソフトウエア「Continuous Data Protection Server」を提供する。ファイルに加えられた変更を保護サーバーに常時転送するため,バックアップ間隔の問題を解消できるという。バックアップ・サーバーは,データをそのままのフォーマットでディスク上に保存するため,ユーザーはWebブラウザを使ってファイルにアクセスし,データを復旧することができる。

 Symantec社は,VERITAS社を約135億ドルで買収することを前年12月15日に発表しており,両社株主の承認を経て7月2日に手続きが完了した。

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