米Microsoftは,ディスク方式のバックアップ・ソフト「System Center Data Protection Manager(DPM)」の提供開始を米国時間9月27日に発表した。DPMは,データ保護を目的としてファイル・サーバーからディスク・ベースのストレージ・サーバーにデータをバックアップするもの。同社は,テープ方式のストレージを代替する技術としてDPMを位置付けており,テープ方式のバックアップよりも高速で信頼性が高く,ほぼ継続的にデータの保護ができると説明している。

 同社は,DPMに関して米Lionbridge Technologiesのテスト事業部門VeriTestの調査結果を公開した。それによれば,DPMのディスク方式のデータ復旧速度は,米VERITAS Softwareの「Backup Exec 10」でテープ方式を採用した場合の11.6倍だった。また,データの増分バックアップも3.7倍の速さで完了したという。

 同日,米Advanced Micro Devices(AMD),米CommVault Systems,米Computer Associates International,米Dell,米EqualLogic,独Fujitsu Siemens,米Hewlett-Packard(HP),米Intel,米Quantumといったパートナ企業がDPMのサポートを表明している。Microsoft社は,40社以上のOEMや独立系ソフト/ハード・ベンダーとの連携を通じ,DPMをベースとした手軽なバックアップ/復旧製品の選択肢拡大を図る方針を明らかにしている。

 Microsoft社は,DPMのリリースにより同社が掲げるUniversal Distributed Storage 構想の実現に向けて一歩前進したとしている。同社は,同構想の下に業界で標準となっているハードウエアを利用した分散型ストレージ・ソリューションの提供を目指している。Windowsをベースとして他のプラットフォームよりもコスト効率のよりストレージ管理の実現を目標としている。

 DPMの価格は950ドル。サーバー・ライセンス1件と管理ライセンス3件が含まれている。

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