米JBossと米Microsoftは米国時間9月27日に,JBoss社のオープンソース開発用ミドルウエア「JBoss Enterprise Middleware System(JEMS)」とMicrosoft社製サーバー・ソフトウエアの相互操作性確立に向けて協力体制を敷くと発表した。またJEMSにおけるWindows Serverサポートの強化も図る。

 両社は今後もそれぞれのJavaと.NET向け製品で引き続き競い合いながら,相互操作性を向上することで市場機会を探り,Windows Server上でJBossを使用するユーザーに最適な体験を保証できるようにするとしている。

 JEMSは,さまざまなベンダーの商用/オープンソース・ソフトウエアを連携させるためのオープンソース・ミドルウエア。アプリケーション,マイクロカーネル,Javaランタイムなどの組み込みが可能。特定のベンダーが提供している単一ミドルウエア・スタックに縛られることがなく,ワークフローに適した技術を組み合わせて作業を進められるという。

 「両社の協力により,顧客にいっそう豊富な機能と優れた統合を提供し,結果的にTCOの削減につなげることができる」(両社)

 両社の技術協力では,主に以下の内容に焦点を当てる。

・「Active Directory」を通じた統合サインオンおよび連携型ID管理
・WS-仕様をベースにしたWebサービス間の相互操作性確保
・「Microsoft Operations Manager」向けの管理ツール
・JBoss社の「Hibernate」および「Enterprise JavaBeans 3.0」と「SQL Server」の最適化

 ちなみにJBoss社製品管理部門バイス・プレジデントのShaun Connolly氏によると,JEMSを導入している企業の半数近くがWindows Server環境で使用しているという。「共通の顧客に最良の体験を提供するのは理にかなったことだ」(同氏)

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