米Battelleは米国時間9月26日,「2006年に,世界の研究開発支出は過去最高の1兆ドルに達する」との予測分析を発表した。研究開発費の増加を後押ししているのは,過去10年間に急成長を遂げているアジア諸国という。

 アジア諸国の成長は,米国など外国からのアウトソーシングに負う部分が大きい。「あと5~10年間はアジア地域で成長が続くだろう」(同社)

 2005年の研究開発費を国別にみると,米国が最多の3122億ドルに達し,中国の1255億ドルや,日本の1233億ドルを2倍以上上回る見込み。しかし,米国が世界の研究開発費で占める割合は,2004年の32.7%から2005年の32%,2006年の31.3%へと減少する見通しだ。一方中国は,2004年の11.8%から,2005年の12.8%,2006年の13.6%へと増加する。

 同社によると,中国とインドは科学および技術分野の教育に注力しているほか,自国政府や外国が積極的な投資を行っており,研究開発が急伸しているという。「今後数年間はこれらの国が,研究開発費の成長をけん引する」(同社)

 また同社は,研究開発のアウトソーシングに関して次のように予測する。「外国の施設に対する投資や研究支援が急増している。この傾向は今後2~3年継続するが,その後しばらくは,海外へアウトソーシングした成果を評価するために費やされるだろう」(同社)

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